さて、DVDの形式に関してこんな質問が来ました。
こんにちは。
ウチでは写真をスライドショー化してDVDに記録して納品するということをしているのですが、今まではPCでの再生が前提だったので問題ありませんでした。
ところが、今回はDVDプレイヤーで再生したいという注文だったので、DVD-VIDEO形式(MPEGムービー形式)に変換したのに再生できません。
私が利用している安物のDVDプレイヤーでは問題なく再生できるし、MacでもレンタルのDVD再生時と同じように自動的にDVDプレーヤーが起動して再生されます。何で再生出来ないDVDプレーヤーがあるのでしょう?
ちなみに、私はMacユーザーで、スライドショーは「iPhoto」を使い「m4v形式ファイル」を作成して、「Burn」というソフトでDVD-VIDEO(MPEGムービー)形式に変換してDVDに焼いてます。
焼き込みソフトの相性の問題なのか、DVD-Rの問題なのか、DVDプレイヤーの問題なのか分かりません。この問題を解決する方法があったら教えてください。
ぶっちゃけ、DVDはかなり複雑なので、一概にこれ!とは言えないのですが、一つひとつ原因を探れるように全て書き出してみました!
PCで作成したDVDがDVDプレーヤーで再生できない場合
PCで作成したDVDがDVDプレーヤーで再生できないのはなぜなんだぜ?
こんなトラブル、実はめちゃくちゃ多いんです。(私も多数あります…。)
今回のケースだと何が原因か掴みきれないので、考えられる原因を書いてみます。
①DVDプレーヤーがDVDのメディアに対応していない
一口にDVDと言っても、さまざまなDVDが存在します。
DVDの主な種類
- DVD-R
一回しか書き込みできない - DVD+R
一回しか書き込みできないが、容量が空いていれば書き込み可能 - DVD-RW
データを削除することで再び書き込み可能
これ以外にもDVDの種類があります。
しかし、DVDプレーヤーによっては例えばDVD-Rしか対応していないなんてことが結構あるんです。
対応していなければ、読み込みができません。
また、同じDVD-Rでも一層式(4.7GB)、二層式(8.5GB)と分かれていることがあります。
この場合も二層式に対応していない場合は、読み込めません。
②ファイナライズを完了していない
DVDプレーヤーの中にはファイナライズをしていないDVDは読み込みできない場合があります。
ファイナライズはDVD-R、DVD-RWのメディアを使用する場合、設定できます。
ちなみに、ファイナライズとはカンタンに言うと、「これでDVDは作成し終わったよ!」というフラグのようなもの。
そうすることでほぼ全てのDVDプレーヤー機器で再生できるようになります。
ちなみにCD・BD(ブルーレイディスク)の場合、ファイナライズは必要ありません。
ファイナライズについてもっと詳しく知りたい場合はこちらの記事をどうぞ。
PCでファイナライズをしたい場合
DVDはVTSとかIFOとかVOBとかよく分からない形式がたくさん出てきます。
ファイナライズをカンタンに言うと…DVDのIFOがDVDのメニュー構成情報を全て握っているので、そのIFOファイルに「録画完了したんで再生できるように頼んますわ」って言うことで再生できるようになります。
こちらのツールを使えば実現可能なので、PC上でもファイナライズを行えます。(ただし、昔のツールなので100%うまくいく保証はしておりません)
③DVDをイメージ化してからDVDにする
質問の内容ではiPhotoから動画データを作って、それをDVD化しているので問題ないですが、
DVDからDVDにダビングする場合は、イメージファイル(iso形式)してからDVD化しないとうまくいきません。
DVD作成前にイメージファイルにすると失敗が少ないです。
DVD作成の注意点ですが、DVDにはVIDEO.TS、AUDIO.TSというフォルダがありますが、これを単純にコピーしてもDVDの内部の順序がバラバラになってしまいDVDプレーヤーでうまく再生できません。
必ずイメージファイルにしてからDVDを作成しましょう。
iso形式(イメージファイル)を作成するアプリ
Windowsはこちらがオススメ。
▶imgBurn
⇒Windowsでは鉄板ですね。DVD作成が無料でできるソフトです。
DVDをコピーするだけじゃなく、イメージファイルを書き込む機能があるのが便利です。
ImgBurnはダウンロード先を間違えるとウイルスまみれになって駆除が大変になります。使う場合はこちらを参考にしながらインストールしてください。
Macはこちらがオススメ。
▶ディスクユーティリティ
⇒Mac標準で入っているソフトウェア。無料の場合はこちらで十分です。
ただし、コピーガードは突破できません。
▶Burn
⇒無料ではこちらも人気です。操作もそれほど難しくないので、私的には一番オススメ。
▶MacX DVD Ripper Pro
⇒こちらは有料ですが、ほぼ全てのコピーガードを突破できるのでMac使用者がダビングする際によく使われます。
ただし、無料ソフトの場合、お金はかかりませんが、ワンタッチでポンとは行きません。
DVD作成は厄介な設定が多いので、有料ソフトに頼ってしまうのも手ですね。
面倒な設定なく簡単にDVDを作成できます。
④音声規格(オーディオコーデック)が合っているか確認する
動画には音声が付き物ですが、その音声の規格が読み込めないとディスクが読み込めなくなるようです。
DVD-Videoの音声規格はLPCM、AC3の2つ。
よく聞かれるAACやMP3、MP2の音声は実は使えないのです。
そこでオーディオコーデックはAC3に変えてからDVDを作成しましょう。
例えばMac用DVD作成ソフトBurnでは、ビデオ⇒DVD⇒オーディオコーデックをAC3に変更しましょう。
⑤リージョンコードを確認する
自分でDVDを作成する場合、この設定が抜けている可能性があります。
この設定が抜けると確実に再生できません!
初めて聞くというかたもいるかもしれませんが、リージョンコードというものが存在します。
DVD のディスクとプレーヤーのそれぞれに記録されている地域識別用のコード。双方の有するコードが一致しないと再生ができない。地域コード。
引用元:Weblio辞典-リージョンコード
日本のDVDプレーヤーが再生できるリージョンコードは「リージョンフリー」か、日本を表す「リージョン2」です。
⑥映像方式を確認する
DVDには映像方式というものがあります。
日本の場合は『NTSC』になっていないと読み込むことができません。
DVD作成の際、アプリケーションは海外のものが多いので、PAL方式になっているケースも多いです。
特に今回の質問ではBurnを使っていたので、必ずNTSCに変更してから書き込みするようにしてください。
例えばMac用DVD作成ソフトBurnでは、ビデオ⇒一般⇒地域をNTSCにすればOKです。
まとめ:まずはファイナライズとメディアを疑ってみよう
では、見直す順序をおさらいしましょう。
- DVDメディアがDVDプレーヤーで読み込めるか
- ファイナライズが完了しているか
- オーディオコーデックがAC3になっているか
- 映像地域はNTSCになっているか
- リージョンコードは一致しているか?
- DVDをイメージ化してからDVDを再度作成してみる
こんな感じでしょうか?
DVD作成って意外に大変です。
でも、ほとんどの原因がファイナライズか、DVDメディアが原因になります。
いろいろ組み合わせていくと、どこが原因なのかが特定しにくくなるので、できる限りシンプルに作りましょう。
特にMacの場合、理解してDVD作成に取り掛からないとDVDが見れないことはよくあります。
注意しましょう!
追記
どうしてもDVDがうまく作れない場合は有料のDVD作成ソフトを使ってしまうのは多いにアリですね。
設定にかかる手間をお金で買っちゃいましょう。
他にもWindowsのトラブル解決法をまとめているので、ぜひご覧ください。